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任意後見契約等の事務遂行に係る報酬の理解について

高齢で親族等に身寄りがない方の多くは、その先の生活に不安に思われており、任意後見制度のご相談をお受けすることは多いです。

直接ご連絡いただくというより、ケアマネージャーさんや地域の相談員さんなど、すでに関わっていらっしゃる方より制度や必要性について概ねの説明を受けていて、それなりにご理解いただいてお会いするわけですが、いざ契約となると躊躇される方がとても多いです。

 

理由の一つは、契約の受任者(例えば私)とそんなに面識がなく、信頼関係ができていないこと。

これは仕方がなく、相性もあるので、何度か面会を重ねます。

 

もう一つの理由は、契約後の報酬への理解です。

 

任意後見契約は多くの場合、「生前の事務委任契約」「死後事務委任契約」と併せて結びます。

「生前事務委任契約」は、認知症になる前からご本人の指示監督の元で代理で事務を行うと同時にご本人の様子を見守ります。

「任意後見契約」認知症を発症した際に、財産管理や身上監護を行います。

「死後事務委任契約」は、亡くなった後ご葬儀の手配や埋葬、その他の事務を行います。

少しずつ変化するご本人を見守りながら、ご本人のご希望に添った最期を実現して行くわけですが、私たちが事務を行うに当たり費用(報酬)が発生します。

月額基本料であったり、作業毎の料金であったり。これらの事務は「介護保険」は適用されません。

だから何割負担、とかではなく、契約した金額をお支払いいただくことになります。

 

年金で生活されているご高齢の方は、介護保険適用のサービスを受けていることも多く、例えばヘルパーさん1時間300円のような感覚で、私たちの報酬をみると、びっくりなさいます。ヘルパーさん費用は1割負担であれば数百円ですが、実際には数千円かかっているわけです。

これから先、継続して払えるかと不安に思う気持ちも十分理解できます。

ただ、私たちは契約受任者として、介護保険適用外ではありますが、身寄りのない方の親族の替わりとなって、ご本人のために親族のように事務を行っていきます。

お金のことは本当に難しいのですが、契約する内容の重要性を含め、ご理解いただきたけたらなと思います。