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養育費をきちんと回収するために

令和2年4月から改正民事執行法が施行されています。

知り合いの弁護士さんのお話ですと、ここのところ、「未払い養育費の強制執行手続き」が増えているそうです。

 

養育費がキチンと支払われているケースは多くありません。約30%しか受給されていないとのこと。

すでに離婚したご夫婦ですから、お互いに連絡とることも煩わしく、養育費が支払われなくても、連絡もとらずに何年も経っているという方も多いでしょう。

離婚後は、当然「他人のふたり」ですので、お互いの居所や勤務先もわからない関係になっても仕方ありません。

でも、養育費未払いで強制執行する場合は、義務者の勤務先や銀行口座の情報は必要になります。

 

民事執行法改正前は「義務者の勤務先」や「義務者の銀行口座」がわからなければ、差し押さえることができませんでした。

義務者が転職し、勤務先がわからなければ給与が差し押さえられないということです。

 

しかし、改正民事執行法では、裁判所が「年金事務所に勤務先を問い合わせ」したり「銀行本店に口座特定について問い合わせる」ことができるようになっており、財産の特定がしやすくなりました。イコール強制執行がしやすくなった、と言えるでしょう。

 

養育費請求権も時効がありますので、時効の中断をしていなければ5年より前の養育費は請求できません。

 

養育費は「子の養育」のためのものです。

養育費は離婚時にキチン決め、義務者は子らが成人(決めた期間)まで支払う。

支払いがなければ権利者はキチンと請求する。

「衣食住・教育環境 に支障なく、子供達が成育できる環境作り」のため、親の義務、果たしていただきたいと思います。